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2025年05月07日
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あこがれいずる

2014年04月20日

 
ものおもへば 沢の蛍もわが身より あくがれいずる 魂(たま)かとぞみる

(男に忘られて侍(はべ)りけるころ、貴船にまゐろて、御手洗川に蛍のとび侍りけるをみて)


恋をしているから 沢に飛び交う蛍も 
わたしの体から憧れ出ていってしまう
わたしの魂のようにおもえる。
(男に忘れられてしまっているとき、貴船神社に詣でて、御手洗川(みたらしがわ)に
蛍の飛んでいるのを見て)



恋をするにも才能が必要。
たしかに、恋はふりかかってきたり落ちてきたり、
ぽっかりとあいた穴に落ち込むようにはまりこんでしまうものかもしれないが、

きちんとした恋をするには
才能も才覚も必要だと思うのです。

アリユールという香水の名にもなっているフランス語があるけれど、
そのひとの在り様とか姿、そういうものがあるひと。
にじみでるようなうつくしい色の気配がある。

そして、きちんとした言葉で自分の気持ちを話すことができ、

機知に富み、可愛らしさがある。

ときに驚くほど大胆で策略的であり

ときに心底、無邪気。

和泉式部はそういう、稀有な恋愛の才能をもった女性であった。

ちなみに日本で彼女と双璧をなすのは、在原業平卿であろうと思うのです。

このひとの歌にも真心にも恋の駆け引きにも
どきどきする。

わたしの大好きな歌人であり
女性なのです。






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